【イベント】


協調的知能共同研究講座では,HRI-JPおよび知能情報学専攻の研究者による発表を中心に定期的にセミナーを開催していきます.また,外部講師を招いての不定期セミナーも開催していく予定です.

セミナーの連絡は主にMLを通して行う予定です.ML登録をご希望される方は,こちらの登録フォーム より登録をお願い致します.


次回のイベント

2019年7月10日 第19回協調的知能(CI)共同研究セミナー ***第13回ランチセミナー***
日時 2019年7月10日(水) 12:10-12:50
場所 国際科学イノベーション棟 1階ラウンジ

黒橋禎夫先生 (言語メディア分野)
深層学習による自然言語処理の進展

世話人 協調的知能共同研究ワーキンググループ



今後のイベント

2019年8月2日 CI Seminar Prof. Ernst Niebur
Time 2019 Aug 2 (Fri) 13:30-14:30
市川記念館103 (参加人数が多い場合は変更の可能性があります)

Prof. Ernst Niebur (Professor of Neuroscience Solomon Snyder Department of Neuroscience and Zanvyl Krieger Mind/Brain Institute Johns Hopkins University)

Perceptual Organization and Attention to Objects
One of the most important strategies of dealing with the extremely high complexity presented by the visual signal from a cluttered scene is to organize the input into perceptual objects. The task of scene understanding is then transformed from interpreting ~10^6 rapidly changing input signals in terms of a much smaller number of spatio-temporal patterns that mostly correspond to structures in the real world, and are constrained by physical laws. This task is, however, highly non-trivial and requires to group those elements of the raw input that correspond to the same object, and segregate them from those corresponding to other objects and the background. We propose that primates solve this perceptual organization task using small populations of dedicated neurons that represent different objects. We note that this segregation process does not require the formation of fully-defined recognizable objects: computational models show that this can be accomplished on perceptual pre-cursors of objects with very simple properties that we call proto-objects. Key features of the models are "grouping" neurons integrating local features into coherent proto-objects and excitatory feedback to the same local feature neurons which caused the associated proto-object's grouping neuron's activation. Organization of the scene into proto-objects thus transforms the seemingly impossible task of scene understanding into manageable sub-tasks. For instance, object recognition can then proceed in a sequential fashion, by operating on one proto-object at a time. A more general mid-level task is attention to objects and the model explains how attention can be directed (top-down) to objects even though the central structures that control top-down attention do not have a representation of the detailed features of these objects.

Host Hideaki Shimazaki.





過去のイベント

2019年6月11日 第18回協調的知能(CI)共同研究セミナー ***第12回ランチセミナー***
日時 2019年6月11日(火) 12:10-12:50
場所 国際科学イノベーション棟 1階ラウンジ

西田眞也先生 (認知コミュニケーション分野)
視覚科学で脳をハッキング
今回のCIランチセミナーは本年度に知能情報学専攻に着任された西田眞也先生にご講演頂いた.西田先生は人の視覚特性の研究で世界的に活躍され,さらにこれを巧みに利用したAR技術でも社会にインパクトを与えている研究者である.
始めにVRやARといった感覚を操作する技術を大別し,感覚器に与える物理刺激の再現を目指す「物理に基づく方法」と,人間の知覚として同一視される情報表現を目指す「知覚に基づく方法」に分けらた.前者はコストがかかるだけでなく限界もいろいろあるため,後者の研究の重要性を指摘された.後者の例としてRGBのモニタ画像を挙げて,視細胞のRGBに対する応答が物理世界の連続的な光刺激に対する応答と同じになる仕組み(Chromatic metamers)を紹介された.さらに上位の視覚野である第2次視覚野レベルで同様のマッチングを行う手法として,視野周辺には周辺処理が判断できる画像統計情報しか表示しない方法(Textural metamers)が紹介された.このように脳の視覚処理機構のレベルに応じて様々な知覚に基づく情報操作ができることを示された.
このような背景のもと,色・形・運動の高次の統合機構をハッキングする手法として西田先生らが開発された変幻灯が紹介された.この手法は動きのベクトルとターゲット画像を組み合わせてアニメーションを作成したのちに,元画像と異なる部分だけを白黒でプロジェクションする技術である.背景を消すのではなく積極的に使用し明るい場所でも使用できる技術で,その興味深いデモをいくつも示して頂いた.変幻灯の原理にかかわる視覚メカニズムに関して,動きの検出に関わる神経細胞の時空間的な受容野の説明・動きが色にあまり依存しないという視覚神経機構の特性を説明され,それらを利用した錯視のデモがあった.特に第1次視覚野の神経細胞のモデルを入れることで,変幻灯における動きの大きさを最適化する手法の説明があった.また,専用のメガネをかけると3次元になるがメガネのない状態では通常の2次元画像に見えるHidden stereoの紹介とそのメカニズムの解説があった.
最後にVR/ARの研究には視覚のメカニズムの研究が非常に大切であり,視覚科学者がこれを技術者に使いやすいようにモデルにするのが大事と指摘されてお話を締めくくられた.「人間のモデルをエンジニアリングに放り込む」という姿勢は協調的知能も目指すところであり,その分野を牽引する西田先生にお話を頂くことで,我々の目標も再確認された.

世話人 協調的知能共同研究ワーキンググループ

セミナーの様子


2019年5月22日 第17回協調的知能(CI)共同研究セミナー ***第11回ランチセミナー***
日時 2019年5月22日(水) 12:10-12:50
場所 国際科学イノベーション棟 1階ラウンジ

鹿島久嗣先生 (集合知システム分野)
機械学習と集合知
本日のセミナーは,集合知システム分野の鹿島先生から,機械学習が現在様々な分野に広がっていることの簡単な紹介に始まり,典型的な予測モデルの次のチャレンジとして鹿島先生が以前取り組まれていた,グラフ構造を持ったデータを対象としたデータ解析の話までを前置きとして,人の持つ知識をうまく利用し,人とコンピュータが協力することで双方の質を高めるような取り組みについて紹介いただいた.
人工知能は入出力が定義され,データが大量に収集可能な場合においてかなり強力なツールとなり,実際に様々な分野で適応されてきているが,収集可能なデータ外の文脈などが占める情報が大きい状況では未だうまく予測することができないという問題があり,文脈依存性が高い抽象的な課題においては人間の能力が柔軟性などの点において人工知能を上回っている.このような問題に対して,クラウドソーシングの発展により,Human-in-the-loop型の,コンピュータと人の協働による問題解決が再度注目を集めている.一例として,画像識別に利用する特徴をクラウドソーシング上で集めることによって,判別に寄与されるが機械的に発見することが困難な特徴を人から獲得するような枠組みを紹介いただき,更にブースティングの枠組みを利用して逐次的に特徴生成を行うアプローチが紹介された.
クラウドソーシングを用いた枠組みにおいては,ワーカーの品質保証が課題となるため,この品質保証も機械学習で行うためのアプローチも取られている.基本的にこの品質保証の考え方は,多数派のワーカーの回答を信頼し,強化していくこととなるのだが,専門知識が必要となるような少数の専門家しか正答を導けないような多数決が解を導かない状況に対処する必要がある.そこで,専門家は単一の問題だけでなく,複数の問題に同時に正答する可能性が高いことに着目し,複数の問題への回答を同時に利用することで,結果として少数の専門家の回答が多数派となるような手法が示された.
人工知能がかなり有力なツールとして広まり,注目されている今,コンピュータにすべてを任せてしまうのではなく,人の側でもコンピュータをさらに高めるための方策が示され,またその結果として高まった人工知能によって例えば学習支援に機械学習を取り入れることによって人をより賢く導ける可能性が示唆されるなど,人とコンピュータとの協働の価値について考える講演であった.

世話人 協調的知能共同研究ワーキンググループ

セミナーの様子


2019年4月16日 第16回協調的知能(CI)共同研究セミナー ***第10回ランチセミナー***
日時 2019年4月16日(火) 12:10-12:50
場所 国際科学イノベーション棟 1階ラウンジ

神谷之康先生 (脳情報学分野)
脳からアートを生成する
本年度のランチセミナーは知能情報学専攻の教員を中心に,人と機械の知能,そしてその協調に関わる講演をお願いすることになった.本年度の第1回目は専攻長を務める神谷先生にご登壇いただいた.
まず初めに脳の活動に含まれる情報を機械学習によって解読するブレインデコーディング技術の基礎を解説され,世界で初めて視覚画像を脳活動から再構成した研究や夢の解読の研究について紹介があった.特に最近の成果として,深層ニューラルネットワークに基づくデコーディング技術の説明に時間が割かれた.この手法ではある画像に対する脳活動から同じ画像に対する深層ニューラルネットワークの活動を予測するデコーダを作成する.このようなデコーダがあれば脳から変換した深層ニューラルネットワークの活動に最も近い活動を生成する画像として見ている画像を推定できる.特に深層イメージ再構成と呼ぶ深層の生成ネットワークを用いて適応的に入力を探索する手法により,ピクセルレベルでは違っていても大局的な構造や質感が似た画像が得られることが示された.
先進のデコーディング技術により脳の階層的な表現構造を明らかにするだけでなく,それを逆手にとってアートという応用に切り込む新しいスタイルの活動は驚きであった.協調的知能にとって人の認識の理解は必須であるが,外界を表現する脳のモデルが構築されれば,他にも思いもよらない応用例があるかもしれないと思わされる講演であった.

世話人 協調的知能共同研究ワーキンググループ

セミナーの様子


2019年3月7,8日 協調的知能共同研究講座シンポジウム「時間と記憶 〜自己と他者のあいだの礎〜」
共催:人工知能学会 言語・音声理解と対話処理研究会第85回研究会

日時 2019年3月7,8日(木,金)
場所 京都大学吉田本部キャンパス
   3/7:総合研究8号館 講義室2
   3/8:時計台記念館 国際交流ホールIII

本シンポジウムは,第85回言語・音声理解と対話処理研究会の特別セッションの形で開催します.協調的知能に関わりの深い「時間と記憶」と「自己と他者」の関係をテーマとして,インタラクションデザイン,時間と自己および意識,記憶と感情といったことがらについて,2日間にまたがり,以下の5名の講師に脳科学・認知科学・哲学・心理学・精神病理学の各視点からご講演いただきます.

3/7 PM
野間俊一先生(京都大学)
「体験の基底としての時間と身体:精神病理学の観点から」
平井靖史先生(福岡大学)
「記憶・意識・時間:拡張ベルクソン主義の観点から」
3/8 AM
楠見孝先生(京都大学)
「なつかしい記憶と他者との絆」
3/8 PM
乾敏郎先生(追手門学院大学)
「自己・他者認知と意識の脳内メカニズム:自由エネルギー原理の観点から」
植田一博先生(東京大学)
「認知的インタラクションデザイン学:時間機序を考慮した他者の内部状態推定」

(講演時間詳細は上記リンク先の研究会プログラムをご確認ください.
 また事前参加登録へのご協力をお願いいたします.)

世話人 協調的知能共同研究ワーキンググループ(担当 船越孝太郎)




2019年1月22日 第15回協調的知能(CI)共同研究セミナー ***第9回ランチセミナー***
日時 2019年1月22日(火) 12:10-12:50
場所 国際科学イノベーション棟 1階ラウンジ

朝倉暢彦先生 (大阪大学)
データ科学と認知モデリング〜意思決定の計算論的認知科学〜

今回のランチセミナーは朝倉先生によるデータ科学と認知モデリングについてである.朝倉先生は視覚科学・認知科学・計算論的神経科学を研究され,現在は大阪大学数理・データ科学教育研究センターにてデータ科学全般にもたずさわっている.その立場から,はじめに現在のデータ科学では高次元・小標本のスパースなデータや統制が不十分なデータが扱う機会が多いことをあげて,データ生成過程のモデリングの重要性をあげられ,実はこの問題意識や解決法の枠組みは人間がデータに対処するときの認知モデリンングにそのまま適用可能なことを指摘された(「一粒で2度おいしい”データ科学”」).
次に視覚機能の数理モデリング研究の歴史を,特徴抽出の時代・不良設定問題の時代・データの不確定性・信頼性も考慮したベイズ推定による定式化の時代にわけて概観された.特にPoggioらの標準正則理論の拘束条件がどのようにベイズに拡張されるかを,形状知覚の表面再構成を例にとってスプライン補間やマルコフ確率場等といった事前知識がどのように導入されるかを説明された.
他者の心を読むという人の心的状態の推定も不良設定問題でありベイズ推定による定式化が可能である.そこで次に,同様の枠組みでベイズ推論による認知モデリングを紹介された.事前知識にあたる他者の心の生成モデルは心理学では心の理論と呼ばれる.誤信念課題の例をとって心の理論やその発展としてより詳細な心の理論尺度について説明された.また,他者の心的状態の推定には,一般的な知識(理論)を用いて推論を行うとする説(理論説,theory-thoery)と自己を他者の立場において模倣することで推論するシミュレーション説の二つがあることを紹介された.
こうした背景知識の紹介の後に,乾先生との研究による心の理論のベイジアンネットワークモデルを紹介された.これは自己と他者の信念を含むモデルであるが,通常データが観測されたもとでこの二つの信念は独立になるようになっている(自己と他者の明確な分離).ここに自分の観測から他者の観測を予測する構造をいれることで理論説(theory-thoery)とシミュレーション説を確率的に統合した心の理論のモデルが得られる.講演では,異なる背景を持つ被験者グループの,心の理論を試すタスクに対する応答から心の理論尺度を求めた例と,モデルによる予測を比較することで,グループ間における心の理論尺度の明確な違いをモデルが表現できることを示された.年齢ごとの発達過程や自閉症患者についての予測結果も取り上げられた.
次に意思決定の問題を紹介された.アイオワギャンブル課題を取り上げられた.健常者は合理的な選択をして精神疾患患者は非合理な選択をするとされてきたが,最近の研究では標準的な人でも,最終的に損失が大きい場合でも,勝っていたら同じ手を出し続け負けたら戦術を変えるというWin-stay Lose-shiftという方法をとっていると指摘されていることを示した.そこでこれを検証するために,最近オープンになった大規模データベースに対してカード選択行動の生成モデルを作成・適用して選択パターンを抽出し,クラスタリングを行い選択傾向を分析した.これにより期待効用を最大化する合理的な意思決定ではなく、利益が高頻度の山を選好するWin-stay Lose-shiftにも整合的な方策が採られていることが明らかになった.このようにして多くの場合で健常者でも長期的な利益に基づいた選択行動をとらないことを示し,神経心理学的検査としてアイオワギャンブル課題を使用することに警鐘を鳴らされた.
最後にデータ科学が対峙する問題は認知システムの課題と同型であり,この二つを同じ問題として扱うことの重要性を語られた.
今回の講演ではベイズ推論に基づく認知モデルを実際の大規模データに適用して,実データに対する重要な知見を得るお手本を示して頂いた.またこれらの背景として,機械学習と学習機械としての人間の認知システムの相同関係を強く意識されて研究を進められている点も重要なメッセージであった.人と同様の問題に対処する機械,特に人と協調する機械を作成するときに必然的に機械と人のアルゴリズムの相同性が意識される必要があるだろう.
世話人 協調的知能共同研究ワーキンググループ

セミナーの様子


2018年12月11日 第14回協調的知能(CI)共同研究セミナー ***第8回ランチセミナー***
日時 2018年12月11日(火) 12:10-12:50
場所 国際科学イノベーション棟 1階ラウンジ

杉山弘晃先生 (NTT)
気軽に雑談できるシステムの実現を目指して
本日のセミナーでは,身の回りに広がる様々な対話システム,特に雑談システムについて,NTTコミュニケーション科学基礎研究所での取り組みを中心に,多くの研究課題とそれに対してなされた様々なアプローチが事例的に紹介された.まず,人の対話の60%は雑談であり,雑談が重要であることが示された.一問一答型雑談での応答精度の向上と印象・対話体験の改善がこれまで積み重ねられてきたことが説明された.一問一答型雑談が安定してきた現在は,複数ターンに渡るより深みのある対話体験の実現へ向けた取り組みに力点が移ってきている.そのための取り組みとして,複数ロボットの連携による対話と,雑談の形をとっていてもある種の明確な目的性(議論,傾聴,知識伝達など)を備えた対話への取り組みが紹介された.人間にはごく当たり前のものである対話も,実体は言語的・心理的・社会的な様々なスキルを駆使しして行われる複雑な活動であり,どれが欠けても精彩を欠くことになる.そのような人の活動を再現しようとする対話システムにも多種多様な技術・デザインが求められる.いわば多くの花や樹木で彩られる庭園のようなものであり,本講演は,それらが少しづつながらも植えられ育まれており,近い将来に鮮やかな景色を作り出すことを予感させる内容であった.

世話人 協調的知能共同研究ワーキンググループ

セミナーの様子


2018年11月13日 第13回協調的知能(CI)共同研究セミナー ***第7回ランチセミナー***
日時 2018年11月13日(火) 12:10-12:50
場所 国際科学イノベーション棟 1階ラウンジ

山川宏先生 ((株)ドワンゴ 人工知能研究所)
Beneficialな脳型AGIの 民主的な開発を先導する
今回のランチセミナーは(株)ドワンゴ人工知能研究所の山川宏先生.2014年にドワンゴで人工知能研究所を設立された山川先生は,2015年に全脳アーキテクチャ・イニシアティブ(WBA)の代表に就任し,日本における脳型の人工知能構築を先導していらっしゃいます.
冒頭では深層学習に至るAI研究の歴史を概観した後に現在のAIの課題が挙げられた.現状で人のような知能を目指すAI研究は、乳幼児の発達過程を追う形でも進んでいる.しかし基本的な常識を獲得しつつあるが生後半年程度のレベルであり、未だ直感的な物理や心理的な背景を把握できないことが指摘された.一方で,ロボット自らが収集したデータをもとに初見の物体を操作できるUCバークレーの研究事例や,先月アナウンスされた米DARPAの研究募集内容が常識(コモンセンス)を獲得する機械の研究であることを指摘して,これらの課題に対する現在のチャレンジも紹介された.
汎用人工知能(AGI)は満足できるレベルで多くのタスクがこなせる知能であり,このようなAGIによって特化型AIが淘汰されること(一般化目的技術),特化型AIをまとめるゼネラリストが誕生することを予想した.またAGIに自律性を付加することで例外に対処できるようになり,生存能力やひいては創造力を持つAIが作られることを指摘した.より包括的には,未知の状況で推論できる汎化性と知識を獲得しようとする自律性の循環的な運用により知のフロンティアを開拓していくことがAGIの大きな目標であると述べられた.
このためには個別の技術を積み上げただけではできない知能を目指す必要があるが,そのために(1)知識の獲得・再利用性,そのための分散表現知識の分解(2)アーキテクチャ開発(3)仮説を探る理論の必要性をあげ,特に(1)について,山川さんらが行った事例として.深層学習モデルの内部パラメータから運動系列の性質を制御する抽象表現を学習する事例が紹介された.
次に脳全体のアーキテクチャに学ぶ,全脳アーキテクチャ構想について話をされた.AGIは簡単に作れるものではないが脳に学んで作ることで(1)開発の発散を防げること,(2)段階的に詳細化すればAGIに到達できる(脳という実例がある)点をあげた.脳型AGIの主要課題として,脳型AGIの実現すべき能力の選定(ロードマップ構築)・いかに特化したAIの寄せ集めとならないようにするか・神経科学が専門でないエンジニアの協力をいか得られるようにするか(開発人材の問題)の3つを挙げられ.これらに対してiterative開発・スタブ駆動開発・知識ベースの構築といった具体的な方策を提案し, これに基づくWBAの研究・開発の一環として昨年行われた眼球ハッカソンの紹介が行われた.ここでは脳型AGIについて望まれる性質を定めて評価が行われていることが示された.最後にAGIの独占を抑制する非営利団体による民主的開発の重要性を述べて,お話を締めくくられた.
脳型AGIという大きな目標を設定すべき意義と実践を,理学及び工学双方の視点で正面から語られた今回のセミナー.企業+NPOや若手の会という有志の集まりによる新しい形態で研究が進められているのも特筆すべき点で,興味を持った学生も多かったと思われる.人と協調する機械には幅広い汎化性能が求められることから,本プロジェクトのアプローチから学べることは非常に多いと考えられる.

世話人 協調的知能共同研究ワーキンググループ

セミナーの様子


2018年11月13日 CI Seminar 山川宏先生
日時 2018年11月13日(火) 15:00-16:00
場所 総合研究7号館 情報1講義室 (1階 107)

山川宏(NPO法人WBAI代表 / 株式会社ドワンゴ)
いかにして全脳アーキテクチャを構築するか
NPO法人WBAIは、そこで開発促進される全脳アーキテクチャ(WBA)が多くの人々に共有される状況を目指している。ここ数年はハッカソン等の活動を行いながら、多くの研究者/エンジニアらが開発に参加するためのオープンプラットフォームの開発を進めてきた。これまでは仮想学習環境やミドルウェアなどの整備が中心であった。 しかし現在は、脳器官ごとの開発仕様としてのフレームワークや、汎用人工知能(AGI)が実現すべき能力の地図といった、知識データベースの構築に取り組んでいる。これらを用いてWBAの部品を作る個別の開発プロジェクトを設計すれば、脳型AGIの完成に向けての整合性を保ちうるだろう。 こうして近いうちに、多くの技術者を巻き込みながら、脳としての機能部品を一通り揃えたシステムの開発を大規模に行える状況をつくることを目指す。こうして,神経科学・認知科学・人工知能・機械学習・ソフトウエア工学などを含む広範な専門能力を兼ね備えた人材は存在しない状況を克服してゆく。 但し、完成したAGIは、未知の状況に対して自律的に対応する知能が必要である。そうした能力があってはじめて、所謂AI科学者として、科学技術の発展を大きく加速できる。そのためには、知識をよりメタなレベルで操作する能力が必要となる。そこで今後は、脳の情報動態を参考としつつ、タスクの実行に有効な知識の組合せを探し出す技術研究についても促進してゆきたい。

世話人 島崎秀昭・大羽成征




2018年10月15日 CI Seminar Dr. Dmytro Velychko
Time 2018 July 20 (Fri) 13:30-14:30
Place Kyoto University, Faculty of Science Bldg. 5 #413

Dr. Dmytro Velychko (Philipps University of Marburg, Germany)
Sensorimotor control with delayed feedback
Information processing in the brain is a subject to different temporal delays on every stage, while processing the sensory information, estimating the environment state, computing the control signal, and executing it by the plant (body). Cortical sensorymotor feedback loop usually takes at least 60-70 ms to start correcting for an error. If the feedback is only visual, it takes even longer. Inevitable temporal delays add more complexity to the optimal feedback control framework. Brain has to implement some computational mechanism to deal with such delays. I will present two hypothesis: a fully Bayesian approach with propagating an error through a memory buffer, and learning of an approximate posterior feedback policy. These two hypothesis give different behavioral predictions of learning and achievable performance. I will talk about the theoretical differences between these two hypothesis and a simple experiment I performed to tackle this question.

Host Shigeru Shinomoto and Hideaki Shimazaki. This is a joint seminar with Mathematical Modeling Seminar.




2018年10月15日 第12回協調的知能(CI)共同研究セミナー ***第6回ランチセミナー***
日時 2018年10月15日(月) 12:10-12:50
場所 国際科学イノベーション棟 1階ラウンジ

谷口忠大先生 (立命館大学情報理工学部 知能情報学科)
記号創発システム ~人間と記号・言語を用いて協調する知能を生み出すために必要なシステム論に向けて~
人間は社会において記号を使ってコミュニケーションを行っている。それは、人間が進化の結果形成してきた生物進化、文化進化の賜であり、環境適応の結果である。不確実な環境の中で、人間は言葉の仕様を、言葉の意味を動的に変容させながら、個として集団として環境に適応している。この結果、創発的な現象として生じているのが記号システムである。人間と記号・言語を用いて協調する知能(ロボット、もしくはAI)を生み出すということは、このような適応のサイクルの中で、人間と同様に適応し続けられる人工物を生み出すということに他ならない。これこそが記号や言語に関わる知能研究の挑戦である。  本講演では上記のような全体像を捉える枠組みとしての記号創発システムについて概説し、また、これに対する構成論的アプローチとしての記号創発ロボティクスとその成果の一部について解説する。具体的には教師なし学習に基づくロボットの言語獲得や場所・物体概念の獲得に関して触れる。さらに、それを支える技術的要素としての階層的ベイズモデルや、ディープラーニングに関しても触れたい。

世話人 協調的知能共同研究ワーキンググループ

セミナーの様子


2018年7月30日 第11回協調的知能(CI)共同研究セミナー ***第5回ランチセミナー***
日時 2018年7月30日(月) 12:10-12:50
場所 国際科学イノベーション棟 1階ラウンジ

中原裕之先生 (京都大学 大学院情報学研究科)
意思決定と社会知性の脳計算理解に向けて
講演概要:今回のランチセミナーは本学科知能情報学専攻の連携教授でもある理化学研究所脳科学センターの中原先生にお話し頂いた. まず始めに人の機能がどのようにして生物学的な実態から現れるかに興味があり,それを理解して行くのが「計算論」であるという話をされた.そして社会知性の脳計算・意思決定と学習・脳型知能という幅広い分野を「脳の計算」として理解したいという目標を語られた.計算論に基づくモデル化解析の目標として(1)モデルによって人に対する仮説を説明し行動を予測すること,(2)モデルの主要な計算が脳で起きている証拠を見つけること,を挙げられた. 本講演では特に社会知性の脳計算について解説を行って頂いた.社会には他者がいて我々は他者をシミュレーションする必要がある.定量的に社会的な意思決定を理解したい.具体的な定量化手法として強化学習理論を用いることができる.強化学習では報酬予測(価値)が行動を決め,価値は報酬予測誤差を用いて獲得される.強化学習を拡張して「心の理論」を「心の『脳計算』理論」にしたいという動機を語られた. 次にSuzuki et al., Neuron 2012を中心とした研究紹介が行われた.我々は他者の脳システムを何らかの形で再構成して意思決定をしているはずである.自分がそれをするときと同じ脳の領野・プロセスを用いて他者の心を推定しているのだろうか(シミュレーション理論),それともそのような方法は使わずに他者の入出力関係を学習するだけだろうか.前者の場合はシミュレーションした他者の報酬予測誤差等を推定しているはずである.強化学習とモデル化研究を組み合わせることで,他者の報酬予測誤差や行動予測誤差の推定に関わる脳部位を特定しシミュレーション理論が正しいことを示されたが,同時に自分と他者の違いが学習に生かされていることも紹介された.後半では他者の行動が自分の選択にどのような影響を与えるかを定量化する最近の研究の紹介が行われた. 社会性という捉えがたい研究対象に対して,実際にどのようなステップを踏んで研究が行われるのかを丁寧に解説して頂いたことで,学生にとって高次の脳機能に迫る実験デザイン・数理理論・データ解析の手法を学ぶ貴重な機会となった.

世話人 協調的知能共同研究ワーキンググループ

セミナーの様子


2018年7月20日 CI Seminar Prof. Naoki Masuda
Time 2018 July 20 (Fri) 15:00-16:00
Place Kyoto University, Building 7, Seminar Room 1 京都大学吉田キャンパス7号館セミナー室1

Prof. Naoki Masuda (Bristol University, UK)
Energy landscape analysis of fMRI data
I will introduce the so-called energy landscape analysis. In this analysis, one regards noisy brain dynamics as those of a "ball" constrained on an energy landscape inferred from multivariate time series data in general (such as fMRI data recorded from a set of regions of interest). A ball tends to go downhill on the energy landscape whereas it sometimes goes uphill to transit from one "local minimum" to another, possibly corresponding to major transitions in the brain. The method is based on spin-glass models in statistical physics. The application of the method to resting-state fMRI signals in the context of cognitive ageing and bistable visual perception tasks is illustrated.

Host Hideaki Shimazaki. This is a joint seminar with Mathematical Modeling Seminar.




2018年7月4日 第10回協調的知能(CI)共同研究セミナー ***第4回ランチセミナー***
日時 2018年7月4日(水) 12:10-12:50
場所 国際科学イノベーション棟 1階ラウンジ

中野倫靖先生 (産業技術総合研究所)
音楽・歌声情報処理に基づくインタフェース構築
音楽・歌声情報に関して、人の能力を補強する協調的知能へつなげるため、信号処理や機械学習による音楽・歌声情報処理技術と、それに基づいたインタフェース構築について述べる。近年、音楽情報処理分野の発展と共に、歌声に関する研究活動が世界的に活発に取り組まれ、学術的な観点からだけでなく、産業応用的な観点からも注目を集めている。そうした音楽・歌声に関する研究は、音楽・歌声固有の特徴に関する基礎研究から応用研究まで多岐に渡る。音楽・歌声信号処理技術が役に立つためには、ユーザ視点での問題発見を含め、対象ユーザの特性に合わせたインタフェース構築が重要である。最近では、エンドユーザが気軽に音楽や歌を制作・発表したり、それを聴いて楽しんだりする文化が広がっており、本講演では、主にそのようなエンドユーザを対象とした我々の音楽・歌声インタフェースの研究事例を中心に紹介する。

世話人 協調的知能共同研究ワーキンググループ

セミナーの様子


2018年6月26日 第9回協調的知能(CI)共同研究セミナー ***第3回ランチセミナー***
日時 2018年6月26日(火) 12:10-12:50
場所 国際科学イノベーション棟 1階ラウンジ

中臺一博先生 (ホンダ・リサーチ・インスティチュート・ジャパン/東京工業大学)
ロボット聴覚とその音環境理解への展開 〜協調的知能の実現に向けて〜
講演概要:本講演では日本初の研究分野「ロボット聴覚」を立ち上げられてから現在に至るまでの展開をお話いただいた.研究開始当時,ロボットブームで人と話すロボットはあったが口元にマイクをつける必要があった.ヘッドセットを介してではなくロボット自らの耳で会話させたかったというモチベーションを語られた.次にロボット聴覚の主要課題として音源定位・音源分離・音声認識を挙げられて,これらを行うロボット聴覚ソフトウェア(HARK)のデモが紹介された.HARKを広く使用してもらうためのオープンソース化や講習会・ハッカソンなど精力的な活動が紹介された.
後半はHARKの展開としてクラウドサービス化や組み込み・車載応用だけでなく動物行動学・鳥の歌の解析など学術的な貢献も紹介された.またレスキューロボットとして雑音の多いドローンのマイクから助けを求める人の位置を特定する試みが紹介がされた.人にはほとんど判別できない音声からも定位を行えることがデモで紹介され感嘆の声が上がった.音源検出・音源同定のアーキテクチャについて先端アルゴリズムの紹介も行われた.
最後に人とのインタンフェースという視点から協調的知能について提案をいただいた.インターフェースのデザインが重要であるが,結局それはシステム設計の問題であり,内部システムも含めた「実システムの設計論」が重要という本質に迫るご意見を頂いた.学生の皆さんにとっては,中臺先生が取り組まれてきたロボット聴覚の紹介を通して,企業と大学を横断した研究活動を知る大変良い機会となった.

世話人 協調的知能共同研究ワーキンググループ

セミナーの様子


2018年5月11日 第8回協調的知能(CI)共同研究セミナー ***第2回ランチセミナー***
日時 2018年5月11日(金) 12:10-12:50
場所 国際科学イノベーション棟 1階ラウンジ

金田賢哉先生 (本郷飛行機株式会社)
本郷飛行機のドローン開発 研究から社会実装まで 〜人とドローンのインタラクションに向けて〜
講演概要:本郷飛行機で行っているドローン開発とその展開について,研究レベルの基礎的な取り組みから,実証実験,サービス運用にいたる多彩な事例が紹介された.まず自律制御と遠隔操作の違いにふれ,現在巷にあふれるドローンが,ジャイロ・加速度センサーを元に姿勢安定制御を自動で行うとはいえ,本質的には遠隔操作(ラジコン)の域に留まることが指摘された.一方で,本郷飛行機でのドローン開発は,自律制御への指向性が高い.そして,人と身近に関わることを意識した研究がなされている.特に,計算資源の限られたハードを前提とした画像処理に基づく自律制御に注力しており,床のテクスチャ情報を用いた自己位置安定化や人物認識を用いた危険回避(見知らぬ人を避ける)が紹介された.また安全と効率のためにはハードウェアレベルでの設計・制御が重要であることが強調された.本郷飛行機独自開発のハードウェアでは,ローレベルの画像処理だけで墜落回避行動をとれるように設計されており,上位のアプリケーションレイヤーで致命的なエラーがおきても墜落を回避できるようになっている.実証実験・実サービスの経験からは,実際に社会に受け入れられ,期待したように一般の人に使ってもらえるようになるためにはドローンの外見の設計が非常に重要であることが事例に基いて紹介された.総じて,企業ならでは実地での知見に溢れた興味深い講演であった.

世話人 協調的知能共同研究ワーキンググループ

セミナーの様子


2018年4月25日 第7回協調的知能(CI)共同研究セミナー ***第1回ランチセミナー***
日時 2018年4月25日(水) 12:10-12:50
場所 国際科学イノベーション棟 1階ラウンジ

高橋英之先生 (大阪大学 大学院基礎工学研究科)
ミヒャエル・エンデのモモに憧れて 〜ロボットによる傾聴場面における心理実験とfMRI計測〜
講演概要:ミヒャエル・エンデ執筆の児童文学「モモ」の中では、他者の話を聞くことに長けた少女モモが登場する。モモに悩みを相談することにより、相談した人たちが自信を取り戻していく不思議な力を持っている。講演者の高橋英之先生は、人とロボットとのかかわりをモモに例えて「ロボットが人の悩みを聞いてあげることにより、人が自信を取り戻せるのではないか」との仮説のもと、そのメカニズムの解明を目指して心理実験手法や神経科学手法を用いて研究を行っている。その研究の中で、ポジティブな話題は人に対して話したがる傾向がある一方で、ネガティブな話になればなるほど、ロボットに相談したくなる傾向にあることを見出した。その脳メカニズムの解明を目指して実施したfMRI計測により、ロボットに対して自己開示している場合には、脳内の報酬系の活動が高まることを示唆する結果を得た。また、ロボットに対して相談することにより、個人間の思考の多様性が促進する結果を得ていることも紹介した。これらの人とロボットとのかかわりについての自身の研究結果より、人間のカウンセラーでは聞き出せないようなことを聞き出せる可能性があるとともに、人のコミュニティ内に触媒として傾聴ロボットを入れることにより行動の多様性が生まれる可能性があることを指摘していた。協調的知能共同研究講座が目指す「人と協調するAI」の実現のための重要な手掛かりとなることが期待できる講演であった。

世話人 協調的知能共同研究ワーキンググループ

セミナーの様子


2018年3月14日 CI Seminar Ido Kanter
Time 2018 Mar 14 (Wed) 15:00
Place Ichikawa Bld. 103 in Yoshida campus (市川記念館 103) subject to change

Ido Kanter (Bar Ilan University, Israel)
New Types of Experiments Reveal that a Neuron Functions as Multiple Independent Threshold Units
Abstract:Neurons are the computational elements that compose the brain and their fundamental principles of activity are known for decades. According to the long-lasting computational scheme, each neuron sums the incoming electrical signals via its dendrites and when the membrane potential reaches a certain threshold the neuron typically generates a spike to its axon. We experimentally show that neurons act like independent anisotropic multiplex hubs, which relay and mute incoming signals following their input directions. Theoretically, the observed information routing enriches the computational capabilities of neurons by allowing, for instance, equalization among different information routes in the network, as well as high-frequency transmission of complex time-dependent signals constructed via several parallel routes. Next, we present three types of experiments, using neuronal cultures, indicating that each neuron functions as a collection of independent threshold units. The neuron is anisotropically activated following the origin of the arriving signals to the membrane, via its dendritic trees. The first type of experiments demonstrates that a single neuron’s spike waveform typically varies as a function of the stimulation location. The second type reveals that spatial summation is absent for extracellular stimulations from different directions. The third type indicates that spatial summation and subtraction are not achieved when combining intra- and extra- cellular stimulations, as well as for nonlocal time interference, where the precise timings of the stimulations are irrelevant. Results call to re-examine neuronal functionalities beyond the traditional framework, and the advanced computational capabilities and dynamical properties of such complex systems.

Host Hideaki Shimazaki and Shigeru Shinomoto. This is a joint seminar with Nonlinear Seminar.




2018年2月5日 CI Seminar Sakyasingha Dasgupta
Time 2018 Feb 5 (Mon) 14:00-15:00
Place Ichikawa Bld. 103 in Yoshida campus (市川記念館 103)

Sakyasingha Dasgupta(Ascent Robotics)
Energy-based machine learning for prediction and decision making
Abstract: Energy-based models (EBMLs) form the basis of deep learning, and provides a common theoretical framework for many learning models, including traditional discriminative and generative approaches, as well as graph-transformer networks, conditional random fields, maximum margin Markov networks, and several manifold learning methods. EBMLs capture dependencies by associating a scalar energy (as a measure of compatibility) to each configuration of the variables. Inference, i.e., making a prediction or decision, consists of appropriately setting the values of observed variables from data and finding values of the remaining variables that minimize the energy. Learning in EBMLs consists of finding a minimum energy configuration with the use of a suitable loss function, which is minimized during learning. In the first part of this talk I will focus on a recent brain-plasticity inspired model called dynamic Boltzmann machines (DyBM) that have been shown to give state-of-the-art results for both generative modeling of time-series as well as for supervised prediction in an on-line setting. In the second part I will introduce decision making/reinforcement learning with DyBMs and juxtapose it with other state of the art in energy-based reinforcement learning methods. Some of the work presented here was originally initiated while I was a senior scientist at IBM Research.

Host Hideaki Shimazaki


Seminar photos


2018年1月22日 CI Seminar Manuel Baltieri
Time 2018 Jan 22 (Mon) 13:30-14:30
Place Ichikawa Bld. 103 in Yoshida campus (市川記念館 103)

Manuel Baltieri (Sussex U)
The free energy principle for the study of action and perception.
The free energy principle (FEP) has recently received a lot of attention in neuroscience, biology and cognitive science. At the same time, some of the core ideas expressed by the FEP remain elusive, especially considering the complexity and richness of the treatment offered by Friston et al. in a long list of papers over the last 15 years. Recent tutorials (Bogacz, 2015), technical reviews (Buckley et al., 2017) and agent-based models (Buckley et al., 2017, Baltieri et al. 2017) offer a different presentation style and highlight the potential of the FEP in different fields.

In this talk I will give a general introduction of the free energy principle and its connections to neuroscience, psychology, control theory, information theory, thermodynamics, machine learning, etc. focusing however on its relationship to theories of cognition, action and perception. As an example of some of these ideas, I will refer to a simple agent-based model I recently presented at a conference (Baltieri et al. 2017). I will finally introduce some work in progress, giving a few more examples of what I think are the strengths of the FEP. Throughout the presentation I will also mention areas that I believe are in need of clarification/better explanation, pointing at potential weaknesses of the FEP.

Host Hideaki Shimazaki

セミナーの様子


2018年1月16日 第6回協調的知能(CI)共同研究セミナー
日時 2018年1月16日(火) 16:30-17:40
場所 総合研究7号館 セミナー室1 (1階 127)

馬場雪乃先生 (京大情)
ヒューマンコンピュテーションとクラウドソーシング
ヒューマンコンピュテーションとは、計算機だけでは、あるいは人間だけでは解決が難しい問題を、両者の協調により解決しようという考え方である。不特定多数の労働力を効率的に獲得する手段であるクラウドソーシングの普及も後押しとなり、人工知能分野において、ヒューマンコンピュテーションの研究が活発に行われている。ヒューマンコンピュテーションの実現において特に重要なのは、人間の判断の信頼性保証である。本講演では、機械学習を用いて、複数人の判断を統合して判断の信頼性を向上する技術について紹介する。また、機械学習のためにヒューマンコンピュテーションを活用する研究についても紹介する。

世話人 島崎秀昭 船越孝太郎

セミナーの様子


2017年12月19日 第5回協調的知能(CI)共同研究セミナー
日時 2017年12月19日(火) 16:30-18:00
場所 総合研究7号館 セミナー室1 (1階 127)

下西慶先生 (京大情)
対象選択行動時の注視行動モデル ~人が「なぜ見ているのか」を探る~
我々の選択行動は、何らかの欲求を満たすための行為である。そのため、選択した対象が自らの欲求に基づく評価基準を満たすことが満足感に繋がると考えられる。協調的にユーザの選択行動を支援するシステムに対しても、各選択対象の特徴を把握しているだけではなく、その特徴をユーザが評価する際の評価基準を理解できることが求められる。この時、あるユーザが選択を行っている際に、協調的支援システムがそのユーザの評価基準をどのように表現・推定するか、という課題が生じる。本発表では、ユーザがカタログコンテンツから対象を選択する際の注視行動に着目し、ユーザの注視行動の背後にある評価基準を探るためのアプローチについて紹介するとともに、今後の対話的な選択行動支援について議論したい。

Eric Nichols(HRI)
Multimodal Natural Language Understanding for Cooperative Intelligence
Cooperative intelligence requires machines to understand and produce language that refers to objects and entities in the real world. In this talk, I will present recent work on named entity recognition in text and grounding textual phrases in images. Our named entity recognition system combines bidirectional LSTMs with character level CNNs and a flexible lexicon matching scheme to achieve competitive results on both newspaper data and Web texts. Our textual phrase grounding system uses a deep learning regression model to directly identify the region referred to by a textual phrase, eliminating the need for external candidate region prediction, and it combines attention models over both words and image regions to achieve a new state-of-the-art in performance on a popular dataset. Finally, I will discuss challenges in developing broader multimodal natural language understanding technology.

世話人 島崎秀昭 船越孝太郎

セミナーの様子


2017年11月21日 CI Seminar 庄野修先生
次回のセミナーではHRIの庄野修先生に大脳基底核のモデリングについてお話頂く予定です.
日時 2017年11月21日(火) 16:30-18:00
場所 総合研究7号館 セミナー室1 (1階 127)

庄野修先生 (HRI)
大脳基底核の機能と病理 —意思決定とパーキンソン病振動の神経回路機構—
大脳基底核は大脳皮質前頭葉の直下にある構造体であり、大脳皮質と連携して運動の計画・調整・学習において重要な役割を担っている。また、大脳基底核の不全はパーキンソン病やハンチントン舞踏病などの運動障害を伴った疾患として表出する。計算論的には、大脳基底核は強化学習に基づき運動学習を実現していると考えられている。しかし、大脳基底核の機能・機能不全が、どのようにして神経回路網から出現しているのかは未だ不明な点が多い。この問題を解明するための有力なアプローチは、「脳を創る」という方法である。これは脳を数理的に再構成し目標とする機能を数値シミュレーションによって再現することによって、その動作原理に迫るという方法である。これまで我々は、スパイキング神経細胞モデルという、生物での実態に近い神経細胞モデルから構成される神経回路網モデルを用いて、大脳基底核の機能・機能不全の出現機構の解明に取り組んできた。本発表では (1) 正常時の機能である強化学習に必須である試行錯誤を可能とする意思決定機構、および(2)機能不全状態の一つであるパーキンソン病で発生するパーキンソン振動と呼ばれる振動的神経活動の生成機構についての大脳基底核モデルを紹介する。

世話人 島崎秀昭 船越孝太郎


セミナーの様子


2017年10月17日 第4回協調的知能(CI)共同研究セミナー
日時 2017年10月17日(火) 16:30-18:00
場所 総合研究7号館 セミナー室1 (1階 127)

森 信介(京都大学)
協調的知能としてのスマートキッチン
本発表では、手順書の理解や作業実施動画の認識の現状を示し、作業補助のための協調的知能について展望する。これまで、言語理解の事例として手順書に注目して研究を行ってきた。その理解の表現形式としてフローグラフを提案している。手順書としては、ネット上に最も大量にあるレシピを題材とし、レシピからの用語認識とそれらを結びつけたフローグラフの自動推定ができるようになっている。さらに、調理動画(作業実施動画)を認識し、レシピを出力することができるようになった。これらを用いると、調理の実施途中においても進行状況や次に取るべき行動をコンピューターが理解している状況が実現できる。それを用いた音声対話などの作業補助システムについて考察する。

Zhang, Zhaofeng(HRI)
Robust speech signal processing for reverberant environment
In order to achieve cooperative intelligence, human-machine interaction is studied as a technical platform. Speech is considered as a natural way for human-machine interaction. Machine can understand who I am, what I am speaking about by listening our speech. However, due to the issue of environmental noise and reverberation, the performance of these tasks will be significantly degraded in actual scenes. In this seminar, I will focus on solving the reverberation issue by analyzing the effect of reverberation. Survey of reverberation robust methods will be introduced. The applications,and future trends of this field will also be discussed.

世話人 島崎秀昭 船越孝太郎

セミナーの様子


2017年9月29日 協調的知能(CI)共同研究 ワークショップ2017
日時 2017年9月29日(金) 10時00分~17時40分
場所 総合研究7号館1階 講義室1・3 会議室2

「知能情報学専攻の教員・学生一体の研究室間の相互交流を通じて、企業研究者と共に自由闊達な議論を行い、協調的知能の鍵となる課題・必要な技術・新しい視点・方向性・価値を発見する」ことを目的としてワークショップを開催します.

スケジュール (場所)
10:00-12:00 Introduction (Research Bldg No 7, Lecture Rm 1)
10:20-12:00 Lab. talks (Research Bldg No 7, Lecture Rm 1)
12:00-13:00 Lunch (served) (Ichikawa Bldg)
13:30-16:00 Group discussion (Research Bldg No 7, 1F Rooms)
16:20-17:40 General discussion (Research Bldg No 7, Lecture Rm 1)
18:00- Gathering (Ichikawa Bldg)

参加者
知能情報学専攻教員・学生・研究員及び企業研究者(HRI,JFEスチール他)

参加者への案内はメールで行います.

世話人 島崎秀昭 船越孝太郎

ワークショップの様子



2017年8月28日 玉川大学脳科学ワークショップ
玉川大学脳科学ワークショップにて島崎が神経細胞集団の統計数理について招待講演を行いました.学生・ポスドクを主体とする高いレベルの研究発表があり,交流を深めました.

「神経細胞集団の統計数理」
脳の神経細胞はスパイクと呼ばれるイベントを介して情報のやりとりを行い,協調して情報を処理している.このように相互作用するイベント生成過程を記述するために,講演者はこれまで統計学・機械学習・統計物理学・熱力学の知見を横断的に適用する手法を開発してきた.本講演ではこれらの手法により明らかになった神経細胞の集団活動の特徴を紹介し,これをもとに如何にして神経情報処理に対する知見が得られるかを解説する.

場所 山梨県笛吹市
主催 玉川大学脳科学研究所 私立大学戦略的研究形成支援事業
世話人 酒井 裕 他

ワークショップ集合写真



  • 2017年8月25日 日本神経回路学会 時限研究会を開催しました.
    テーマ「脳の理論から身体・世界へ:行動と認識への再挑戦」
    場所 京都大学 国際科学イノベーション棟5階
    主催 日本神経回路学会
    世話人 島崎秀昭(京大情・HRI) 大羽成征(京大情) 吉田正俊(生理研)
    参加登録はこちらのページからお願いします.

時限研究会の様子

本会議は盛況のうちに終了しました.神経回路学会誌に実施報告が掲載予定です.


2017年8月4日 協調的知能(CI)共同研究講座 開設記念シンポジウム
日時 2017年8月4日(金) 午後1時~5時20分
場所 芝蘭会館 稲盛ホール

スケジュール・参加登録は こちらのページ をご覧ください.
世話人 島崎秀昭 船越孝太郎

シンポジウムの様子



2017年7月25日 第3回協調的知能(CI)共同研究セミナー
日時 2017年7月25日(火) 13:00-14:30
場所 総合研究7号館1階セミナー室1

市瀬夏洋先生 (京大情)
協調的知能と同期システム
協調的知能を、複数のシステムの結合によって創発する知能であると定義する。ここで問題となるのが、システム間を伝播する情報量の低さである。トノーニらによる意識の統合情報理論によれば、システムを任意に二分した際に、その間を流れる最小の情報量によってそのシステムが意識を持ち得るかが決定される。従って、ここで考える協調的システムはこの意識の要件を満たさない。これを回避するために、個々のシステムは他のシステムに対する同期システムを内包すると考える。内包同期システムとは高い情報量の伝送ができるため、この問題を回避できる可能性がある。本発表では、力学系理論において知られている同期現象として、カオス同期、共通ノイズ同期、および先行同期を紹介し、同期システムを有する協調的知能について議論する。

Brock Heike先生(HRI)
How cooperative intelligence could shape the future of exercising
With the low cost and broad availability of motion sensing devices, it became possible to collect large amounts of human motion data without great effort. Ubiquitous display of the performed motion such as provided by fitness trackers motivated many people to exercise and conduct a healthier lifestyle over the last years. However to date, such feedback relies largely on straight-forward presentation of the collected data. The inclusion of advanced data mining methods and neural networks can provide additional expert knowledge on performed motor actions. In this talk, I will discuss three information retrieval scenarios from rehabilitation and competitive sports that illustrate how the inclusion of artificial intelligences can influence the style of exercising, leading to cooperative intelligences that might change the way we practice and learn sports in future.

世話人 島崎秀昭 船越孝太郎

セミナーの様子



2017年6月20日 第2回協調的知能(CI)共同研究セミナー
日時 2017年6月20日(火) 13:00-14:30
場所 京都大学吉田キャンパス 総合研究7号館1階セミナー室1 (前回と場所が変わります)

中野 幹生先生 (HRI-JP)
言語コミュニケーションによって知識を獲得する協調的知能にむけて
機械と人が協調して仕事を行う際には,さまざまな知識を共有していなくてはならない.人が持っている知識を機械にあらかじめすべて教えておくことは不可能なため,言語コミュニケーションによって人が機械に知識を教える方法が有効だと考えられる.しかしながら,言語を用いて人とコミュニケーションする機械,すなわち対話システムの研究では,システムがユーザから知識を獲得することはあまり重視されてこなかった.本講演では,講演者が今までに行ってきた,対話システムによる語彙獲得の研究や,インタビュー対話システムの研究などを紹介するとともに,関連分野との関係,今後の展望を述べる.

間島 慶先生(京都大学)
予測対象の性質に合わせた脳情報デコーディング ~ 順序データ・位置情報を対象として ~
fMRIや細胞外電位記録により計測された脳活動の信号からそれにコードされている情報を読み出す技術、脳情報デコーディングの研究を行っている。今回はそのコアとなる情報の読み出しに用いられる機械学習の手法に焦点をあて、講演者が近年進めている研究を紹介する。高次元・少数サンプルを扱うことの多い脳情報デコーディングでは、線形回帰モデル、線形判別器が予測手法として用いられることが多い。しかし、単純な線形回帰・線形判別で常に十分な結果が得られるとは限らない。本講演では線形回帰・線形判別を用いると精度が低下してしまう、適切な情報量の評価ができない、という困難が生じる2つの事例、「順序データのデコーディング」、「位置情報のデコーディング」の研究を取り上げ、 それぞれに対するアプローチを紹介する。最後に、クラウドソーシングによって多数の人から得られた「協調的知識」を脳情報デコーディングと組み合わせていく方法について、今後の展望を議論したい。

世話人 島崎秀昭 船越孝太郎

セミナーの様子



2017年5月17日 第1回協調的知能(CI)共同研究セミナー
日時 2017年5月17日 13:00-14:30
場所 総合研究9号館北棟 2F セミナー室

河原 大輔先生(京都大学)
言語知識の獲得とそれに基づく言語理解 ~協調的知能の実現に向けて~
協調的知能の実現に向けて、言語情報すなわちテキストの意味を計算機に理解させることが必要である。これまでは、人間がもっているような常識的知識が計算機には欠けていることが、テキストの意味理解における大きなボトルネックとなっていた。しかし、近年、ウェブなどの超大規模テキスト集合からの自動知識獲得、および集合知の利用によって、この状況が変わりつつある。本講演では、これらの知識獲得技術と、獲得した知識を用いた言語処理について最近の研究成果を紹介する。

小野 晋太郎先生 (HRI-JP, 東京大学)
ITSのための都市空間センシング・モデリング・可視化技術
実世界の情報をコンピュータに取り込んで仮想化空間を構築し、社会に応用する -- これが本講演の究極のテーマです。既に様々な分野で先行例がありますが、ここでは主に移動型センサ、特に車載カメラを用いて、都市空間を対象に、シーンの形状把握、理解、情報抽出、他系列データとの相互補間を行い、可視化する技術などを紹介します。さらに、これらの技術を運転シミュレーションや情報提供システムなど、モビリティ社会の高度化(広義のITS)に活用することを目指します。

世話人 島崎秀昭 船越孝太郎

  • 2017年4月27日 共同研究講座のプレスリリースを行いました.リンク
  • 2017年4月1日 共同研究講座がスタートしました.
  • 2017年3月21日 船越が京都大学学術情報メディアセンターセミナーで講演しました. リンク
  • 2017年3月4日 島崎が脳科学若手の会で合宿講師を務めました. リンク